十二月二十四日。
オレと葵が恋人同士になって初めてこの日がきた。
そして、その夜もオレと葵が恋人同士になって初めてのクリスマスイブ。
今日は夕飯の時間まで葵と出かけることになっている。
朝食を済ませ、少ししてからオレと葵は家を出た。
「隼翔、どこに行く?」
無邪気でかわいい笑顔の葵。
「葵は、どこに行きたい?」
「え……?」
「葵の行きたいところに行こう」
「……いいの?」
「ああ」
「隼翔だって行きたいところあるんじゃない?」
「オレは葵と一緒なら危険なところ以外どこでも行きたい」
「あはは、危険なところって……」
「例えば、溶岩の近くとか、肉食動物が歩き回っている草原とか……」
「あはは、何それ」
「だから葵が行きたいと思うところを言ってほしい」
「隼翔……」
そして葵は、どこに行きたいか考え始めた。
オレは葵がどこに行きたいと言うのか、わくわくしていた。
「……じゃあ……プラネタリウムに行きたい」
「いいな、プラネタリウム。行こう」