「……隼翔……オレも嬉しいよ。隼翔もオレと一緒に一緒の高校で高校生活を送りたいと言ってくれて。オレの方こそありがとう」


「……葵……」


「隼翔、だいぶ寒くなってきたね」


 葵はそう言うと、葵がしているマフラーを半分、オレの首にかけてくれた。


「……葵……」


 あったかい……。

 マフラーもそうだけど、葵の……この気持ちがとても温かい……。



 オレはマフラーで葵の頬を包み、そしてイルミネーションの光に包まれながら…………葵にキスをした…………。







 植物園を出て帰りの電車、葵は眠っていた。

 純粋過ぎるほどの葵の寝顔……すごくかわいい……。

 オレは葵のあまりにもかわいい寝顔に思わず葵のことを肩に寄せようとした。

 ……が、その瞬間、ハッと気付いた。

 車内には乗客がいる。

 乗客の目の前で葵のことを肩に寄せるのはちょっと……。

 だから……というのもあれなんだけど、オレは葵のことを肩に寄せるのは諦めた。

 他の乗客もいる中で葵のことをオレの肩に寄せるのは……まだ勇気が足りない。