葵の志望校のことだ。
あの日、オレが葵に志望校のことを訊いたときに「オレ、志望校、隼翔と同じ高校にする」と言っていたけど、葵の成績ならもっと上の高校を目指せるはず。
それなのにオレが行っている高校にするって、なんかもったいない気がする。
せっかくもっと上の高校を目指せるのに……。
「隼翔?」
オレが、あまりにもじっと葵のことを見つめていたから、葵がオレの視線に気付いた。
「あ……いや……」
オレはどうしようかなと思った。
でもこのまま思っているだけではなく直接、葵に志望校のことを訊いてみようと思った。
「……突然こんなことを訊くのもあれなんだけど…………葵……前に志望校、オレが行っている高校にするって言ってたよな。……でもさ、葵の成績ならもっと上の高校を目指せるのに、なんかもったいないなと思って。……なんで……志望校、オレが行っている高校にするって言ったのかなって……」
「…………」
葵は沈黙していた。
オレは何かまずいことでも言ってしまったのかと少し心配になった。
オレは葵に声をかけようか迷った。
すると……。