「どうしたの? 隼翔」
葵は純粋な眼差しでオレを見た。
「ファミレスを出たら植物園行かないか」
「植物園、うん、行きたい」
葵はとても喜んだ。
「でも珍しいね、隼翔が植物園行こうって。オレが植物園好きだからそう言ってくれたの?」
「それもあるけど……この時期の植物園ってさ、午後五時からのイルミネーションがすごくきれいだろうと思ってさ」
「隼翔……」
「葵と一緒に行きたいなと思ったんだ」
「……隼翔……」
「……葵?」
「ありがとう、隼翔、すごく嬉しいよ」
葵はとびきりの笑顔を見せた。
オレも葵のその笑顔を見て、ものすごく嬉しくなった。
そしてオレと葵はファミレスを出た。
そこから少し歩いたところに駅があり、そこの駅から電車に乗った。
そして植物園の最寄り駅に着き、そこから少し歩いて植物園に着いた。
園内に入った葵は、美しい植物たちやかわいい植物たちにキラキラ目を輝かせて観ていた。
オレはそんな葵をいつまでも見ていたかった。
「ねえねえ、隼翔、この花ものすごくきれいだよ」
「そうだな」
花もきれい。
でも、葵の花を見る純粋な眼差しも同じくらいきれいだ。