葵は無邪気な子供のような笑顔を見せた。

 その笑顔がとてもかわいくてたまらなかった。


「そう言ってもらえてオレも嬉しいよ」


 葵が喜ぶのを見るとオレはすごく嬉しい気持ちになる。

 葵にもっともっと喜んでもらいたい。

 そして葵が喜んだときに見せる笑顔を見るとオレは幸せな気持ちになる。

 オレは葵の笑顔を何度でも見たい。

 そしてこの笑顔をまもりたい……。


「はい、隼翔」


「……葵も一口くれるのか」


「うん、隼翔に食べてもらいたくて」


「ありがとう、葵」


 そしてオレは葵が一口サイズに切っておいてくれたチーズデミグラスソースハンバーグを食べた。


「美味い‼ 葵がくれたチーズデミグラスソースハンバーグ」


 とろとろのチーズと濃厚なデミグラスソース、そしてあふれだす肉汁がちょうどよくハンバーグに馴染むようにからんでいて一口食べた瞬間、口の中で一気に広がる、そのまろやかな味わい。

 オレは、そのあまりの美味しさに一瞬、体の動きが止まってしまった。


「そう言ってもらえてオレも嬉しいよ」


 オレの様子を見て、葵はとても笑顔だった。