そうしているうちに注文していたものがきた。

 葵はチーズの上にデミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグ。

 オレは照り焼きソースがたっぷりかかったハンバーグ。

 ここのファミレスのハンバーグは、とても美味しいと評判だ。

 一口食べた瞬間、一瞬でそのハンバーグの世界にはまり込んで食べ終わるまでそこから抜け出せなくなるほどの美味しさだという。

 オレも一口食べた瞬間、一瞬でそのハンバーグの世界にどっぷりはまり込んでいった。


 ……葵は……。

 オレは葵の方を見た。

 葵もとても美味しそうにハンバーグを食べていた。

 葵は「ここのチーズデミグラスソースハンバーグ、すごく美味しい」と言って続けて「隼翔が食べている照り焼きハンバーグは?」と訊いた。

 オレも「すごく美味しいよ」と返答した。

 そして……。


「……隼翔、一口くれるの?」


「ああ。ここの照り焼きハンバーグすごく美味しいから葵にも食べてもらいたい」


「ありがとう、隼翔」


 葵はそう言うと、一口サイズに切った照り焼きハンバーグを食べた。


「美味しい‼ 隼翔がくれた照り焼きハンバーグ」