そして、梓と一緒に理久の誕生日プレゼントを選ぶ約束をしたその週の金曜日までが終わった。










 そして土曜日。


 梓との待ち合わせ当日。



 オレは朝ごはんを食べにダイニングルームに入った。


「おはよう、隼翔」


 いつものように先に姉ちゃんがいた。


「おはよう」


 オレもいつものように姉ちゃんに挨拶をした。


「隼翔、今日、出かけるんでしょ?」


「ああ」


「なになに、デート?」


 本当に好きだな、姉ちゃんは。毎回毎回そういうことを訊くのが。


「何言ってるんだよ。それは姉ちゃんの方だろ」


 姉ちゃんは今日、将輝さんと会う約束をしている。


「私もそうだけど、あんたの方も約束の相手、梓でしょ?」


 姉ちゃんはなぜか、今日オレが会う相手が梓だと知っていた。


「なぜそれを?」


「昨日たまたま梓とばったり会って、隼翔と約束してるって聞いたから」


「そうか。だけど別に幼なじみなんだから、一緒に買い物くらい行くだろ。小学生の頃はよく遊んでた」


「小学生の頃とは事情が違うと思うけど」


「……? 何の事情だよ」


「…………」


 姉ちゃんは、なぜか黙ったまま。


「…………?」


 ……姉ちゃん?