今、梓が言っていた理久は、梓の弟。

 今年の四月から中学一年生、葵と同じ中学校。

 オレが小学生の頃、梓と遊ぶときに、梓がよく理久も一緒に連れて来ていた。

 梓と理久、太一と太一の弟の希一、それから葵、みんなで一緒に遊んだ。

 久しぶりに理久の名前を聞いて、あの頃を思い出した。

 とても懐かしい。


 ……そうか。

 ひょっとして梓が今日、オレのことを誘ったのって、理久の誕生日プレゼントを買いに行こうと……。


「いいよ、一緒に選びに行こう、理久の誕生日プレゼント」


『本当? ありがとう、隼翔』


「じゃあ、待ち合わせは何時にする?」


『隼翔は何時ごろがいい?』


「梓がいい時間でいいよ」


『私がいい時間でいいの?』


「ああ」


『えっと、じゃあ……あっ、そうだ、隼翔は昼ごはんどうする? もしよかったら一緒に食べない?』


「いいよ」


『じゃあ、昼ごはんの時間も入れて……十一時半に公園の広場のところでいい?』


「わかった」


『ありがとう、隼翔』


「何だよ、そんなに改まって」


『ううん、別に。ただお礼が言いたかっただけ。じゃあ、また明日学校で』


「ああ、また明日」