……でも、このままではオレと葵は恋人同士としてどこにも行けなくなってしまう。

 何も悪いことをしていないのに誰にも見つからないように隠れて過ごしていかなくてはいけなくなってしまう。それを考えると…………。


 オレは……オレは一体どうしたらいいんだ…………。


「隼翔?」


 ……‼

 ……葵……。


 気付いたら、オレと葵のいつもの思い出の場所に来ていた。


「どうしたの? なんか険しい顔してるよ」


 ……オレ……また葵を不安にさせて…………。


「隼翔、何か悩み事でもあるの? もしオレでよかったら話してほしい」


 ……葵……。


「……違う……。オレでよかったらじゃない。オレにしてほしい。オレに話してほしい。オレに何ができるのかわからないけど話ならいくらでも聞くから。隼翔が悩んで苦しんでいたらオレも苦しい。オレは隼翔の苦しみも辛さも一緒に共にしたい」


 ……葵……。


「もちろん嬉しいことや楽しいこともだけど、隼翔の苦しいことや辛いことも隼翔の心の中の一部になっているのなら、それはオレにとっても心の中の一部だから」


「……葵……」


「だって愛している人の全てを受け入れたいんだもん」


 ……葵……。