「……ってなんか楓姉ちゃん質問攻めだね」
「そりゃあ、姉として葵のことを心配しているのよ」
「……何の心配?」
「うふふ」
「うふふって……」
姉ちゃんと葵がそんな話をしていたとき、オレのスマホが鳴った。
すると姉ちゃんがニヤニヤした。
「彼女?」
好きだな、姉ちゃんは。そういうことを聞くのが。
「違うよ」
そう言って、オレは席を外した。
「もしもし」
『もしもし、隼翔』
梓からだった。
『今日は突然誘ってごめんね』
「こっちこそ悪かったな」
『……あのさ、改めてなんだけど、今週末空いてる?』
「ああ、空いてるよ」
『あのね、もうすぐ理久の誕生日で、プレゼントを買いに行こうと思うんだけど、そのプレゼントを一緒に選んでもらいたいなって思って……。あっ、ほら、中学生の男子って何が欲しいのかよくわからないから』