新しいクラスはオレと太一は同じクラスになり、梓は別のクラスになった。


 ……ということは……。


「あぁ~、梓とは別のクラスになっちまったぁ~」


 やっぱり。

 梓と別のクラスになったときの太一のいつもの嘆き。


「そう落ち込むなよ、太一。別にずっと会えないわけじゃないんだから」


 太一が梓と別のクラスになったときに、太一を励ますのも恒例の行事。


「そうなんだけどさ~」


 まだ嘆いている、太一。



 こうしていつものようにオレと太一は話していた。

 すると……。


「隼翔‼」


 教室の出入り口付近からオレを呼ぶ声がした。


 そう呼んだのは、別のクラスから駆けつけた梓だった。


「ちょっといい?」


 教室の出入り口付近から顔を少しだけ出して、オレに声をかける梓。


「何?」


 オレは、教室の中から梓に声をかけた。


「ちょっとこっちに来て」


 梓に呼ばれて、オレは廊下に出た。


「どうした?」


「今日、時間ある? ちょっと付き合ってもらいたいところがあるんだけど……」


「今日はちょっと用があって、悪いな」


「ううん、こっちこそ急にごめんね」


「いいよ、気にしないで。それじゃあ、また明日」


「うん、また明日ね」