家に連れて帰ると、何度も何度もにゃーにゃー鳴く。

猫の顔をよく見てみると端正な顔立ちをしていた。

「なんでこんな綺麗な顔の子を捨てたのか…」

「俺の話してなかったな。俺は、ゆん。これからはお前のこと飼ってやる。」

そうだ。名前決めないとな。

それはそうと、俺が一方的過ぎている。

猫は箱から全く出てこようとしない。

「お、お~い…ほ、ほら…ご、ごはん…あ、ご飯買ってない…あ~名前。あ、出てこ~い?」

だめだ…俺…人間にも嫌われてる(?)のに、猫にすら懐いてもらえないなんて……

そう、俺は不器用で本当に人と接することが苦手。会社もなかなか落ち着かず、まともに会話をとった社員もいない。

どうしたものか。

ほんとにあいつ出てくる気ねえな…

先に名前決めてやるか…。

ねこだから…ねこでいいか。名前ねこにしよ。はい、かわいい

「おい、猫。お前の名前は今日からねこだ。わかったら、さっさと出てこい」

だめだな。俺…素直になれねえ…相手は猫だぞ?

飯買ってくるか……

「じゃ、じゃあ飯買ってくるからお前は…ねこは大人しくしてるんだぞ」

『にゃー 』

な、鳴いてくれた…嬉しい…う、嬉しくねえし?鳴いただけだし?

な、鳴いてくれた……んだな……とりあえず良かったかも……