雨の日だった。

俺に似た孤独の猫に目が離せなかったのは。

『 にゃー』となくその猫は傷だらけで寂しそうに見えた。

なんとなく。独りでただ日々を送る俺と猫を重ねてしまった。

ただ、同情だった。猫の気持ちなんか分かりやしないけど。

本当にそれだけだった。

ただ、気が向いて拾っただけ。ただ、それだけ。

猫が寂しそうで、自分のようで。

「うち、くるか?」

ほんとうは、自分に向けて誰かに話して欲しかっただけなのかもしれない。

そう。自分のようで。