「なら、手帳でも買ってあげれば」
手帳?
「そしたら、毎日身に着けるでしょ?
男物の手帳なんてさ、シックなものが多いけど
翔哉ならそういう者の方がいいんじゃない?」
そっか
その手もあったんだね
でも、ネクタイもいいなぁ
「なら、俺が一緒に選んでやるよ」
「京にぃ?」
「他ならない、愛実の悩みに付き合ってやる」
「なっ」
「柚。少し愛実と2人で一緒に買い物してくる」
あたしたちの目線の先にいる翔哉は気づいていない様子
「なるほど。分かった」
柚ちゃんは別方向へ
あたしと京にぃは、紳士服のお店へ
ネクタイを見ながら
「こんなもんだろ」
そう言って籠の中に入れたネクタイと手帳
「きょ、京にぃ・・・?
これは、多いんじゃ・・・」
「いや。大丈夫だ」
何が大丈夫なんだろう?
「これで買って来い」
京にぃが出したのはゴールドカード
「なっ!?」
「愛実が心配することはない。」
心配することはないって・・・