スマホを見ると
【業務提携打ち切りの裏に、三ツ谷家のご息女との婚約破棄と
篠田家のご子息に新しいお見合い相手発覚】
と見出しに出ている。

「あなたが、したことが浮き彫りになってしまいましたね」

翔哉の父親はガクっと肩を落としながら帰っていった。

「愛実。翔哉から連絡があってな」

「連絡・・・?」

「お前が高校を出たら迎えに来るそうだ」

え・・・?

「それまでに、イタリアで経営を学んで
親父を社長の座からずり落とすと」

そっか

「それと、向こうでのお見合いは、翔哉から話して
お見合いしたけど、それ以上のことはないそうだ」

「そっか」

「愛実次第だ」

「あたし次第?」

「俺たちは、翔哉を信じ切ってはいない。
現にお前は婚約破棄をされた人間だ。
迎えに来れば、お前を嫁に出す覚悟はしているが
この学園で、別の婚約者を作ってもいいと俺たちは考えている」

ん?
「”たち”って」

「俺も京介も翔哉以外の男をお前の婚約者にと考えている」


そっか・・・
そういう事なんだ・・・

確かに、この学園では婚約すれば、事業にも手を出しやすい。
伊蕗にぃや京にぃが提携したい会社なんていくつもないだろうに

「愛実?」