「だからこそ、伊蕗にぃは篠田との提携も打ち切ったんだよ」
「そんな・・・」
ここにいる人たちの多くは三ツ谷と提携している。
バカじゃない親であれば、提携を切られまいと必死になって
あたしや京にぃと引きはがすはずがない。
そして、敵に回してくる事も無い
「でもさー篠田の家だって馬鹿じゃないんだから、分かりそうなもんだったでしょうよ」
「愛ちゃん」
「久しぶり。愛実。元気してた?」
「うん」
「確かにね~三ツ谷が後ろ盾にいると思っていい気になったんじゃない?」
「そうかもね。だって、三ツ谷と提携切られたとたんだもんね」
「業績悪化してんの」
そうなんだ
「イタリアの会社と提携したところで見捨てられるんじゃない?」
「それは在りうるかも」
そんな会話をしていた時だった
「愛実?」
「京にぃ。柚ちゃん」
「兄貴から今日は休ませるって来たけど、来てたんだな」
「うん。寮の中にいると寂しくなっちゃうから」
「そうか。無理すんなよ」
「ありがとう」
そう言って出て行った京にぃ
「愛実のお兄さんって2人ともかっこいいよね」
「しかも、凄腕経営者」
「それでいて、愛妻家」
「「羨ましいよね~!!」」
翔哉と分かれていなかったら、こんな風に言われていたのかもしれない
「愛実?」
「大丈夫?」
「え?ごめん。大丈夫」