「あ?」

いつまでも、あんな化粧の濃い女と一緒になんていられないからな

「じゃあ、愛実は連れて帰ります」

「あぁ。無理はさせるなよ」

「分かっています。」

無理なんかさせるか。
治るまでは俺の所で療養させる。
それとも、別荘に連れて行って・・・

寝室に行けば、真っ赤な顔をして汗だくの愛実が
ベッドに横たわっていて

「しょ・・・やぁ」

「愛実。帰るぞ」

「むりぃ」

無理ってなんだよ?
ひょいっと抱えた愛実は、軽すぎるくらい軽くて

「ほんと、食ってんのかよ?コイツ」

「翔哉」

「?」

「愛実のために、相談がある」

愛実のために、相談?俺に?

「お前が、あの寮から仕事に行くか
愛実をお前の家に連れて、学園に通わせるかしてくれないか?」

俺が寮に行くか、愛実を俺のマンションに連れて行くか?

「何言って・・・」

「愛実の寮から、ガスが使われている形跡が少ないんだ。
使っているのは、お前が来たときくらいなんだ」

「兄としては、そんな事見逃せない。
婚約者がいる愛実にとって、お前にだっていやな思いをさせる前に
お前に決断をしてほしい」

「決断って・・・」

俺の仕事に会わせて生活をさせたくなくて
今の生活にしたのに、愛実。どうして

「暫く、考えさせてください」

「!?」

「愛実の熱が下がるまでには、決断します」