「どうした」

「愛実が熱を出した」

は?

「いや。今日の午前中は、何ともなかったらしいんだが
愛実、兄貴の所で食べようとしてたらしいんだが」

くそっ

「理事長室に入った途端、愛実の奴、倒れたらしい」

マジかよっ

「今は、兄貴が見てくれてる。
早く迎えに行ってやれ」

「あぁ。悪いな。迎えに行くから」

「そうしてやれ。
愛実を頼むぞ。未来の義弟(おとうと)」

「お前にその言い方されんの、すっげぇムカツク」

「本当の事だろうが」

それだけ言うと電話を切った京介

「電話は終わりになったのですか?」

「はい。ですが、これで本当に失礼します。」

「え?」

領収証を貰って支払いを済ませた後
そのまま、伊蕗さんの家に迎えに行くと

「あら。いらっしゃい」

みのりさんの手には氷枕と愛実の制服

「愛実は?」

「寝室だ。熱も高くてな。
仕事が終わってそうな時間帯に掛けさせたんだ」

「いや。助かりました。」