愛実と一緒に書いた婚姻届けは
まだ、俺の手の中。
親父は愛実と早く席を入れて
篠田に入れたいのだろう。
三ツ谷との繋がりを持ちたいからだろうか?
「言っただろう。親父。
籍は、愛実が高校を出てからだと。
結婚も。愛実に高校を辞めさせたくねぇんだよ」
「それはそうだが」
「仕事の話じゃないなら、後でにしてくれ。
俺には終わらせなくちゃいけない仕事が
まだ山積みなんだ」
机の上には今日の仕事が山のように乗っかっている
ったく。この仕事を片付けなくてはいけない。
「この企画」
数枚のうち見つけた企画
「ふーん。これね」
企画案件者には今年の新人の名前が記載されている
この企画を俺と愛実に使おう。
それとは他の案件にも目を通していく
いいものには、OKサインを書き
ダメなもの、修正が必要なものには
何も書かず、手元に戻させる。
「今年の企画はボツばかりだな」
内線で総務部へ連絡をして
ボツの企画をもとに戻すよう指示をする