翔輝がフッて笑って




「今さら



もう逃げられねぇよ。」




なんて…。




わたしは…



わたしは…



いつも、翔輝にだけ



泣き虫になっちゃう…





「でも、ほんとにいいの?翔輝」




グスって鼻鳴らしながら優香が言う。




「今…24?でしょ。翔輝。



結婚なんて」



「…22だよ」



「は?



いや。出会ったときが…




え?!」




「今、22。


あん時は…20?かな」




「だって、だって…



そう。ゆうじくんが」




あのとき20歳って



嘘でしょ。四つ下?



「勘違いしてたんじゃね?



あいつ。数字弱いし」



いやいや。そんな問題?




えー??!




22?




そんな…




ショックを受ける優香に




翔輝が言う。




「いいじゃん。歳なんていくつでも



おれは、



お前しか好きにならないんだから」






いつも。




いつも。




わたしのつまらない常識なんて




簡単に壊して




会いに




愛しに来てくれる




翔輝。




やっぱり、今もこれからも




大好きだよ。




いつか、




あの池に



白鳥たちに




2人で会いに行こうね。






『愛なんてしらないくせに』



はじめて出会った時に投げたことば。




そう、知らなかったのかも。




キミに出会うまでは。



      -END--