そう言いきった勢いで声のした方を
見ると、そこには見た目が私よりも2.3歳ぐらい大人っぽくて、顔が整った綺麗な男の子が心配そうな顔をして立っていた。

「ほんとに大丈夫なの?膝凄い痛そうだけど、」
その男の子は私がなぜ泣いているのか聞かずに怪我の心配をした。

「正直に言いなよ。」
芯のぶれない強い瞳を私に向けたまま
彼はそう言った。

「わかった。正直に言う。痛いよ、凄く」
「よし、ちゃんと言えたな。」
私のことをまるで幼稚園生にするように褒めながら彼は優しい瞳で微笑んだ。