璃叶は俺から手を離すと、俺の下からスッと抜け出す。
何事もなかったみたいに、ルンルンで瑠南のところにかけて行った。


「……は、ぁ」


クッソ、似たような顔しやがって……。
ほんとにもう……。


朝から精神的にもうくったくた。
この姉弟ほんとに、やだ。


俺はベッドから身体を起こして、首をポキポキと鳴らす。


「瀬那〜、髪にブラシ通らないんだけどー」
「今行くー」


あぁもう、ほんとに瑠南がやだ。
俺がどれだけ悩んで、どれだけ考えて別れても、離れてくれない、離れようとしてくれない。
俺のこととか全く気にしないで生きてる。


「あーあ、めっちゃ絡まってやんの」


毛先をピンクに染めた茶色い髪に触れる。


「ほんとー?解いて」


鏡越しに俺に向かって笑う瑠南。


俺だって瑠南に離れてほしいわけじゃないし、本当に離れたいって思って別れたわけじゃないし。だけど。