瑠南はいわゆる腐女子、とか、そう言う類だから。
瑠南の本棚の目の高さの段は大量のそう言う本で溢れてる。


「僕はそーゆー担当だから」


ニッコリ、俺の下で笑う璃叶。


こいつらのユニットは瑠南みたいな人を対象にしたユニット。
普通に、2人を好きでなんでも嬉しい、みたいなタイプのファンもいるけども、とにかく2人でイチャコラしているユニット。
……本人たちにお互いそういう感情はないみたいだけど。


「別に俺、瑠南にそう言う目で見られたいわけじゃないんだけど……」


ぽろっと溢れた言葉に俺の腕を掴む璃叶の手に力が入る。


「ねーちゃんがいつまでも瀬那くんのことを好きでいると思わないで。そのうち本当に、ただのメンバーになっちゃうよ」


キッとした目つき、低い声。
俺が瑠南をフッた理由を知っている璃叶は、瑠南との関係に関しては俺のことを心底嫌っている。
当たり前だと思う、けど。


「……俺だって色々考えてんだよ」
「ぜーんぶ、瀬那くんの勝手だよ」