「ご、ごめん京、そうだよね。私もう…」

もう体調は大丈夫だから、もう自分で何でも出来るよ。そう続けようとした言葉は、京に遮られた。

「何て顔してるんだよ」

「だって、京に一生恋人ができなかったら、私のせい…だよね」

「別にそれでもいい」

京のそんな言葉にびっくりして、思わず、何で?と聞き返す。

「そういう願望があるわけでもないからな。
それに、俺が来なかったらお前の食生活はまた逆戻りだろ」

「うん…まぁそうかも」

「そうかもって、ほんと自炊する気無いんだな」

「違うよ、苦手なだけ」


そういう願望があるわけでもない、か。
確かに京は昔から誰と付き合っても基本的に冷めているというか、いつもなんとなく、本気ではないんだろうなぁと側で見ていて悟っていた。

だから恋愛に興味がないと言われても意外ではない。ただ、京くらい良い男性なんてそうそう居ないのに勿体ないと思ってしまうのは幼なじみのよしみだろうか。

かくいう私も仕事一筋で恋愛に興味がある訳ではないから、京の気持ちもよくわかる。