「砂川さん、京の恋愛事情気にしてたの何でなんだろうね」

「どうしてだろうな」

それに昨日の電話でも京の事を気にしているように感じた。
少し考え込んでから、今日の砂川さんの言葉を不意に思い出す。

───相変わらずクールでかっこいいよね黒瀬君は。

もしかして砂川さん…京の事をプロデュースしたいと思ってるのかな。

そんな事に気がついてハッとする。

「あ、分かった。砂川さん、多分京の事プロデュースしたいと思ってるんじゃないのかな」

「…は?」

確かに京は顔もスタイルも良い。プロデューサーである砂川さんがそんな京に目をつけるのも自然な事だろう。
そしてそんな京の恋愛事情が気になることも。

「そういえば私が社長に就任してすぐの頃、京と一緒にいるのを見られてから、芝波さんは黒瀬君と付き合っているの?って聞かれた事があったし、きっとそうだよ。恋人がいたらスカウトしづらいだろうし」

そう言うと、何故か京に呆れたように深いため息をつかれた。