「あっ、でもユニットでもいいんじゃないかなって思っただけで、全然ソロでも…」

「それいいですね」

そう言って砂川さんが数回うなずく。

「何で気がつかなかったんだろう。二人の相性はきっといい」

勢いでユニットはどうですかなんてプロデュースのプロの砂川さんに意見してしまったが、そう頷いて貰えてほっと胸を撫で下ろした。

まだ自分の意見が正しいのかどうか自信が持てないから、嬉しいというよりは安堵を覚える。

「芝波さん、さすがですね。じゃあ二人組ユニットでデビューさせる方向で考えてもいい?」

「はい、もちろん。お願いします」

きっと素敵なユニットになる。
しかも砂川さんプロデュースなら間違いなく。


「ありがとう。それはそうと…」

「?」


そういって砂川さんが倉掛君から離れ、私の方にゆっくりと近づく。