唐突に屋上の扉が音を立てる。

「凛子、ちょっと待っ、、」


「あれ?お前ら何の話してんの?」

購買から帰ってきた晴太が聞く。

凛子がわたしの方を見るので首を横に振ると

「女子だけの秘密だよ、ね?葵?」

「う、うん、、」

「何だよそれー 気になるじゃんかよー!
なぁ、咲月!」

晴太の後ろから咲月が顔を出した。

「あー、うん。」

話を聞いてるのか聞いていないのか分からないが、、。
咲月はいつもこんな感じ。

お前全然興味ねえのな、と呟いた晴太が今買ってきたであろうパンを頬張り始めた。




「ね、夜永くん明日誕生日でしょ?何か欲しいものないの?」

凛子が聞いた。

すると晴太も面白そうに話に加わる。

わたしも咲月の答えに耳を傾けた。


「うーん、、俺なんでもいいけどなあ。」

「何でもいいじゃ困るんだよ!」

と晴太が言うと、

「お前らが決めてくれたものが1番嬉しい。」


と笑った。

「何それ。」

とわたしは笑った。

笑いながらも咲月に似合うものをずっと考えていた。

何がいいかな、何をあげれば喜ぶかな。