「葵、あんたいつになったら夜永くんに告るわけ?」

昼休み、凛子がいつものように詰め寄ってきた。咲月と晴太は購買に行っている。

「いつになったらって、、いつだろうね。」

「もう、、。そんなこと言ってたら夜永くん他の女の子と付き合っちゃうかもしれないよ!?」

あんたが気づいてないだけで結構人気あるんだから と凛子が続ける。

咲月は明るい性格でクラスの中心的な人物だ。顔もそこそこイケメンで、サッカー部。
男子高校生としてモテる条件としては十分だろう。

咲月とは生まれた時からずっと一緒。
泣き虫で意地っ張りで、でも優しくて、
そんな咲月に特別な気持ちをもったのは小学生の時。すぐに想いを伝えられる距離にいるのに、今更なんて言ったらいいかなんて分からない。そうしてウジウジとしたまま、明日に咲月の17回目の誕生日を迎えようとしていた。


あ、と何かを思いついたような凛子の顔を見る。嫌な予感しかしない。

「ねえ、明日告っちゃいなよ。」

少しの沈黙が流れた。

告白?

明日?

「明日!? 無理だよ!!」

「またそんなこと言って、後になって後悔するのは葵なんだからね!」

「でも明日って、、」

「夜永くん誕生日でしょ?2人でどっか行ってさ、それから、、」


ガチャッ