何をどうしていいのかわからない二人を お父様とお母様がリードして、結婚の段取りを整えてくれる。
3月の決算で会社が忙しくなる前に、両家の顔合わせをした。
ご両親の温かさを、父がどう感じたか。
沙織は幸せだと、思える親でいてほしい。
ご両親に感謝して 尽くそうとする沙織を 褒める親でいてほしい、と沙織は強く思った。
結婚式を決め、新居を整える。
週末はご両親と過ごすことが増えていく。
素直で楽天的な沙織は、ご両親を慕い、馴染んでいく。
紀之は、何も言わないけれど。そんな沙織を、嬉しそうに見ていた。
とても温かくて、穏やかなご両親だから。
沙織に不快な思いは、全くさせない。
式場を決める時も 家具を選ぶ時も 笑顔で紀之達の意志を尊重してくれる。
“沙織ちゃん”“沙織ちゃん”と可愛がる両親と 冗談ばかり言って笑っている紀之の中で、沙織は幸せな感謝で、胸を熱くしていた。