デザートのいちごを添えていると、子供達の声が　聞こえてくる。
　


「さっきの犬、大きかったね。でも、壮君を見て　しっぽを振っていたよ。」
　
「壮君、怖かった？」
　
「こわくないよ。」

リビングのドアを開けて “ママ、ただいま” と、元気に。


寒さに頬を赤くした笑顔。とても愛おしい。
　

「壮君、お腹すいた。」
　
「絵里加も。」

三人は真っ直ぐ　 洗面室に行き　 可愛い　うがいの音がする。
　

「今日は、ご飯だね。美味しそうだよ。」

智くんは、笑顔で　“いただきます”　を言ってくれる。
　


「ねえ、ママ。さっき　こんなに大きい犬がいたんだよ。」

絵里加は、手を広げて教えてくれる。
　
「そんなに？怖かった？」私も、一生懸命聞く。
　

「全然。だっておとなしいの。ワンっていわなくて、お利口なの。」
　
「壮君が、撫でたら、しっぽ振ったよ。」

夢中で話す子供達。智くんの笑顔。


幸せな時間は　毎日、終わる事なく続いていく。


新しい家で　今日からはじまった生活も　優しくて、豊かで、楽しい。