イブの体が アダムの鋤骨からできているように。
私の心は 智くんの心から作られている。
だから、初めて会った子供の頃から 私達は惹かれあった。
そして いつも同じ気持ちだったのだと。
私は、ずっと、そう思っていた。
「こうして 智くんの胸に 私の胸を合わせるでしょう。そうすると、二人の心が合体して 一つの心になるんだよ。」
私は、智くんに抱き付いたまま言った。
「麻有ちゃん、可愛い。うん。今 心が合体したのを感じたよ。」
智くんは 私の背に回した腕に 力を込めた。
私達は しばらく そのまま静かに抱き合う。
お互いの鼓動を聞きながら。
愛が充電されて、溢れていくのを感じながら。