「こんにちは。おじゃまします。」
樹君の声を先頭に お父様、お母様と、子供達が入ってくる。
「わあ。絵里加のおうち。すごくきれい。」
深見さんに ご挨拶をした後で 絵里加が言う。
お父様にプレゼントされたピアノも リビングに設置されている。
「壮君達のお部屋、2階だよ。2階に行こうよ。」
壮馬に手を引かれて 子供達は 階段を上がって行く。
お父様とお母様は 深見さんに 丁寧に挨拶をしている。
私は お姉様の手を借りて みんなにコーヒーを淹れる。
「とっても素敵にして頂いて。智之達 10年前も お世話になっているのよね。本当に、ありがとうございます。」
お母様は、深見さんと初対面だった。
「こちらこそ、ありがとうございます。本当に、素敵な息子様達で。社長様も奥様も 安心ですね。」
お兄様夫婦と深見さんは 今日が初対面だった。
一日、一緒に作業をして お兄様達の人柄の良さを、感じたのだろう。
「うちは、嫁に恵まれました。二人とも とても良い子で。この二人と結婚できて 息子達も成長しています。」
お父様の謙虚な言葉に お姉様と私は 驚いて顔を見合わせ 首を振る。
「素敵なご家族。本当に 羨ましいです。社長様のお人柄ですね。私も 係ることができて 誇りに思います。」
深見さんは言う。
「どうする、こんなに褒めて頂いて。みんな期待を裏切れないよ。」
お父様は、笑った。