「不思議だね。毎日、普通に使っているのに。意識すると 照れるね。」

智くんは 優しい笑顔になる。

私は 手を止めて 智くんに抱きつく。


溢れる思いで。


智くんも 強く抱きしめてくれる。

多分、同じ思いで。
 


「幸せが湧いてくるね。麻有ちゃんと一緒にいると。」

智くんの声が 胸に響く。
 

「うん。絶対に枯れないね。」私も答える。
 

マンションで過ごす 最後の夜。

色々な思い出と 幸せと 感謝に満ちた 神聖な夜。


私達は 深まる愛と絆に感謝して 新たな生活に 決意を持って 優しい眠りにつく。