お利口にしていた子供達を褒めて 私達は外に出る。
 

「お腹すいたでしょう。お昼ご飯食べに行こうね。」

車で レストランに寄り そのままディーラーに向かう。
 

ディーラーには キッズコーナーがあって絵里加と壮馬は 楽しそうに遊んでいる。

私達は、落ち着いて 営業マンの話しを聞き 車を選ぶ事ができる。
 

「やっぱり、赤が可愛いよ。」智くんの言葉に、心を動かされながら、
 

「派手じゃないかしら。」ちょっと不安で。
 

「お似合いになりますよ。白やグレーは この先 いつでも乗れますから。」

営業マンは丁寧に言う。

智くんの笑顔に押されて、私も頷く。
 


それから オプションや装備を決めて。

私達は 契約を交わす。

納車までは、2カ月くらいかかるらしい。


「なるべく早めで、お願いします。」と智くんが言う。
 
「廣澤様には、いつもお世話になっていますので。なんとか 年内に 納車できるように 頑張ってみます。」


私達は、やっぱり微笑み合ってしまう。
 

「クリスマスに間に合えばいいね。」

智くんが、私に言ってくれる。
 


「奥様への、クリスマスプレゼントになりますね。」

耳に留めた営業マンに、
 

「10年目の結婚記念日なんです。」

智くんは、オープンに話す。

私は、照れて俯いてしまう。
 

「そうでしたか。それなら 何としても 間に合わせないといけませんね。」

営業マンは笑顔で言う。

こんな風に、無理がきいてしまう。

廣澤家の人間だから。
 

「本当ですか。それなら、嬉しいね。」

私を見て、智くんは微笑む。

私も、笑顔で頷く。
 

「ご希望に添えるように、スタッフ一同で頑張ります。」

営業マンの言葉に
 

「よろしくお願いします。」と私達は、店を出た。