「そうだ。深見さんが すごく喜んでいたって 親父から連絡がきたよ。この部屋 とても綺麗に使ってあって 10年前と同じくらい綺麗だったって。」
智くんは とても、嬉しそうに言う。
「深見さん、大げさだよ。子供達もいるから そんなに綺麗じゃないのに。」
私は、照れて言う。
でも とても嬉しかった。
「今度の家も 精一杯 やらせてもらうって。麻有ちゃんのおかげだよ。ありがとう。」
智くんは 私にキスをしてくれる。
「ううん。こちらこそ ありがとう。私、この部屋に入った時 とても感激して。大切にしようって。智くんが 寛げるように 綺麗に暮らそうって思ったの。慣れてしまうと 感謝の気持ちが薄れて。この間 深見さんに会って その気持ちを思い出して 反省したの。」
私も、真っ直ぐ 智くんを見つめて言う。
「麻有ちゃんは いつも俺の事を最優先に思ってくれているよ。俺は、わかっているからね。俺も、麻有ちゃんが一番だよ。自分よりもね。可愛くて、優しくて、頑張り屋さんで。最高の奥さんだよ。」
智くんは 強く私を抱きしめてくれた。
智くんの背中に腕を回し 肩に顔を付けて。