いつもより 少し早く帰ってきた智くんを迎える時 私は 子供達と同じ様に 智くんと抱き合う。
パパとママがふれあう事を 子供達は 自然に受け止めている。
“いってらっしゃい”と“おかえりなさい”に みんなでキスをする事も。
智くんは 十分に子供達の相手をして 寝かし付けてくれる。
そして、私がお風呂を上がるタイミングで
「はい。」とコーヒーを差し出す。
「ありがとう。」私は、智くんの肩にもたれる。
「今日は、麻有ちゃん、甘えん坊だね。」
智くんは、優しく私の頭を抱き寄せる。
「深見さんに会ったでしょう。なんだか昔を 思い出しちゃったの。」
私は、甘く智くんを見つめる。
「麻有ちゃん 毎日、ママを頑張っているからね。」
智くんは、私の髪を撫でる。
「あの頃は 私だけの智くんだったのに。ずっと、私を抱いていてくれたのに。」
私は、甘い声で言う。
「可愛い。今でも 麻有ちゃんが一番だからね。大丈夫だよ。」
智くんは、笑う。