その後、松濤の家に戻り 私達の家の話しになる。


「智之に言われて、深見さんの事務所に連絡してみたよ。深見さん 智之と麻有ちゃんの事 よく覚えていてさ。とても喜んでいたよ。今は、偉くなって あまり現場には出ないらしいけど 是非 やらせて下さいって言ってくれたよ。」

お父様の言葉に、智くんと私は 微笑み合ってしまう。
 

「書類の確認ができたら 残金を支払う事になっていてね。内装工事は、それから入ってもらうから。来月から工事に入れるように、床とかクロスを 深見さんに選んでもらうといい。」

お父様の言葉は、いつも温かい。

私達に、一切お金の心配をさせない。
 


「年内に、引越しできるかしら。」

お姉様が言う。
 

「工事は、超特急で仕上げてもらうよ。智之達、クリスマスに入籍しているだろう。その日までには、引越しさせてあげたいから。」


お父様の言葉に、私はあの日を 思い出してしまう。

お気に入りの、白いワンピースを着て 婚姻届を出した日。

その後、二人で横浜に行った。