食事中 子供達は、夢中でパパと話しをする。
幼稚園での事。おけいこでの事。おうちに帰ってからの事。
二人で暮らしていた時と同じ。より賑やかになって。
絵里加も壮馬も 偏食や遊び食べをしないで きちんと食事をする。
「ほら、壮君。ちゃんとお茶碗持って。」
話しに夢中で手が疎かになると 智くんは静かに注意してくれる。
おかげで 楽しい食事のルールが 自然と見に付いている。
「ごちそう様でした。」
みんなが食べ終わると 智くんは 声を掛けて 食事の終わりを意識させてくれる。
それまで 子供達は 席を立ったりもしない。
「パパ、絵本読んで。」
食事が終わると 二人は 智くんの両膝に抱かれる。
お風呂までのひと時 パパの膝で絵本を読んだり おもちゃで遊んだり。
智くんは、子供達を疎むことは、絶対にしない。
その後智くんは 二人をお風呂に入れてくれる。
バスルームから、キャッキャッと笑い声を響かせて。
「ママ、絵里ちゃん出るよ。」
先に絵里加を出して 長い髪を乾かし終わる頃、
「壮君も出るよ。」と壮馬も上がってくる。
子供が生まれてから ずっと。
仕事で遅くなる時以外は いつも。
「いつまで一緒に入れるかな。」
と自分も髪を拭きながら出てくる。
「パパ、今度はこれ読んで。」
壮馬が絵本を持ってくると 自然と二人 智くんの膝に抱かれて。
私は この時間に 夕食の後片付けや 明日のお弁当の下拵えができる。
「絵里ちゃん、壮君。そろそろ寝る時間ですよ。」
キッチンから 私が声を掛けると
「えー。もう。あと少し、いいでしょう。」
二人は 甘えた声で 智くんを見る。
「それじゃあ 続きは ベッドで読んであげるね。さあ ママにおやすみなさいして。」
と二人の頭を撫でる。
子供達は 素直にパパの言うことをきく。
「ママ、おやすみなさい。」と 笑顔で子供部屋に入っていく。
智くんが 二人を寝かしつけている間に私は お風呂に入れる。