結婚前の私に、お母様は言ってくれた。 二人の子供達に、会社を残したいと。 それが、お父様の夢だと。 私が お父様やお兄様と仲良くすることで、お父様達の援助に感謝することで、智くんの心が動いたのなら嬉しい。 それなら、少しは恩返しに なるかもしれない。 そんな事を考えながら 智くんを見つめる。 智くんは、やっぱり 私を見ていてくれる。 優しい微笑みで。