「絵里ちゃんも、壮君も、お行儀よくするんだよ。暴れたり走り回ったりすると、お祖父ちゃまもお祖母ちゃまも、悲しむからね。絵里ちゃんと壮君が、お利口だと パパとママも嬉しいよ。」

車の中で、智くんは静かに 言ってきかせる。
 

「絵里加、お利口にできるよ。」
 
「壮君も。」二人とも、元気に答える。
 


「そうだよね。いつもお利口だから、パパは大丈夫だってわかっているよ。ご飯終わって お祖父ちゃまのおうちに戻ったら いっぱい遊んでいいからね。」

智くんの 子供扱いには いつも感心させられる。

絵里加はともかく 4才の壮馬も ちゃんと聞き分ける。
 


私は 助手席で 智くんを見て微笑む。

ありがとう、の思いを込めて。


智くんも、私に笑顔を返してくれる。