高校生になって、初めて女子校になった絵里加は 戸惑う様子もなく 楽しそうに通学している。
穏やかで、おっとりした性格は 誰からも好かれるようで お友達も多い。
最近、女子アナになりたいと言っている。
「絵里加、結婚するなら、パパみたいな人じゃないと嫌なの。だから 多分、お嫁には行けないと思うの。」
と、可愛い事を言って、智くんを喜ばす。
壮馬は、中等部に上がってから バスケットボールに熱中していた。
智くん譲りの運動神経の良さで 2年生の夏から レギュラーで試合に出ている。
身長も伸び盛りで、私と絵里加は抜かれてしまった。
友達と話している時は、年相応の男の子だけれど 家族といると甘えん坊の末っ子で。
特にパパには、ベタベタくっ付いている。
「壮君、もう少し頑張ると トップになれるって。先生が言っていたわ。」
要領の良い壮馬は、成績も優秀で。
「いいの。トップは落ちるだけだから。」
壮馬流の哲学に、納得していると、
「また。ママは丸め込まれて。」と、智くんに笑われる。