翌朝、私はみんなより 少し早く起きて 朝食の準備をする。
今朝の分の食材は、東京から準備してきた。
10人分のサンドウィッチ。
長いバケットに、色々な物を挟む。
野菜はもちろん、スモークサーモン、チキンの照焼き、蟹、卵、チーズ、ツナ、ハム…
簡単な割に、豪華になる。
食べやすい大きさに切り分けていると、樹君が起きてくる。
「麻有ちゃん、朝ご飯、何?」
とキッチンに入ってきて、
「うわあ。美味そう」と言う。
一切れ手渡すと、嬉しそうに頬張り
「美味しい。」と親指を立ててくれた。
「樹、早いね。」
智くんと絵里加も 起きてきて テーブルセッティングを 手伝ってくれる。
「姫達、毎日 こんな朝ごはん食べているの?」
智くんにつられて、樹君も 手伝ってコップを並べてくれる。
「ママのお料理、美味しいからね。絵里加お弁当も、自慢だよ。」
絵里加は、得意気に言う。
「いいなあ。うちのお母さん、超大雑把だから。一点山盛り主義。」樹君が言う。
「誰が、大雑把なのかな?」
キッチンに入ってきたお姉様に言われ
「何でもない。気にしないで。」
と言う樹君に、私達も笑う。