「よく考えてくれよ。知りたい事とか 見たい書類とかあれば 用意するから。納得いくまで検討してほしい。麻有ちゃんにも 迷惑かけて悪いね。でも応援してもらえるかな。」
お兄様は 私にも言ってくれる。
「私は 大丈夫です。智くんが決めた事なら 何も心配ないから。」私は笑顔で答える。
「麻有ちゃん、すごい信頼。」と、お姉様が驚く。
「はい。私はいつでも、付いて行くので。」この10年間の自信が 私の言葉に力を与えてくれる。
「でも 麻有ちゃんの援護射撃がすごいんだよ。だから俺 安心して戦えるんだ。」
智くんも 強く言ってくれる。
「今の会社もすぐには辞められないから。引継ぎもあるし。今後の事を考えたら 円満に辞めたいからね。」
智くんの気持ちは、もう動いているのだろう。
私は それを受止める心構えをしよう。
「まず 自分の意志を固めるから。少し時間をくれよ。」
智くんは、笑顔で言った。