「斉藤主任、素敵な人だね。子供を財産って思えるの。確かにそうだよね。お金で買えないし。」
私は、智くんが “子供達は麻有ちゃんの要素がいっぱいだから” と言ったことを思い出す。
私達二人のすべてだから。だからこんなに愛おしい。
「麻有子達は、どうして 2才違いで二人目を産んだの?」美咲に聞かれて、
「それが、たまたまで。思いがけなく出来ちゃったの。」
絵里加に授乳していた時は 特に気を付けなくても 妊娠はしなかった。
私は断乳後、生理を見ずに 壮馬を妊娠した。
美咲は、驚き、そして笑う。
「二人目不妊で悩む人もいるのに。」と。
智くんと私は、絵里加が産まれてからも 熱く求め合っていたから。
出産して さらに歓びは 濃密になっていたから。
「だから、壮馬を産んだ後は 気をつけているわよ。」私は照れて言う。
「自然に任せるか。それもいいよね。できたら産む。その時は、仕事を辞めて。できなくても、詩帆がいるし。」
美咲は、晴々とした顔をする。
「意外に来月あたり、できちゃったりしてね。ほら、美咲達も、ラブラブだから。」
私も笑って言う。
「麻有子と話すと、気が晴れるわ。麻有子セレブなのに、庶民の感覚も理解してくれるから。」
美咲に言われて、
「ほら、私、玉の輿だから。」と笑う。
みんな、それぞれに背負う物があり 迷い悩みながら、生活している。
そして、愛する家族が それを支えてくれる。