翌日、子供達を連れて 遊園地に行っている間に 早速お父様と父は、工務店の人に会っていた。
 

ファーストコンタクトを取ってしまえば 後は自然と流れていく。


これからは、別荘の設計で楽しくなるだろう。
 

「また、高村さんには、迷惑かけてしまいますね。すみませんが よろしくお願いします。」

帰りに、お父様が言う。

楽しかった3泊4日の休日。


子供達は、たくさんの新しい経験をして。

私達は、東京に帰る。
 


お父様が、別荘の建て替えを考えられるほど 智くんは会社に馴染んでいた。

少しずつ自然に 智之流になっている、とお父様は言う。
 

「まず、営業部のコミュニケーションが変わったよね。すごく小さな事でも 報告するようになったね。」

お父様は、ちゃんと気付いていた。
 
「正確な報告がないと、アドバイスができないからね。みんな 無駄な仕事は したくないでしょう。」

智くんは、さらっと言う。

でもそれは、部下に信用されているから。
 

「昼間、無駄に外に出て 時間をつぶすとか。それで残業して事務処理するとか。効率悪いじゃない。それよりも 今日は回る所がないから 事務処理します、って言えたほうがお互いに楽だし。」

社長の息子なのに、そういう空気を作れた智くんは すごいと思う。
 


「そうなんだよね。でも 売上が伸びているって どういう事だ?」お兄様が笑う。
 
「もしかして、俺って有能かな。」

智くんの言葉に みんなが 真剣に頷いてしまう。
 

「ちょっと、冗談だから。そこ笑う所でしょう。」

と逆に、智くんは照れる。