最後の夕食は、一度家に戻り 少しおしゃれして ホテルのレストレンへ。

私は早速、時計とペンダントを見に着ける。
 

「わあ。お姉ちゃん、セレブっぽい。」

妹に冷やかされて、照れて俯く。

見に着ける物が私を格上してくれる。


だから、それに負けない私にならなければ。

いつか、絵里加や壮馬に 同じようにプレゼントできるように。

 


最後の夜。みんな それぞれの満足感で 楽しかった時間を振り返る。
 

「こんな素敵な旅行に、連れて来て頂いてなんてお礼を言っていいか。」

父は、感激で声が震えている。
 

「私達も、本当に楽しかったので。次も 是非、ご一緒して下さい。」

お父様は、とても温かい。そして、
 

「俺の娘達に。プレゼント。」

と言って、お姉様と私と妹に 包みを差し出す。


私達は 驚いて 3人で顔を見合わせる。
 
「私まで。どうして。」

妹は 一瞬、手を出す事を躊躇する。
 
「美奈ちゃんも、娘と同じだよ。孫達をとても可愛がってくれるし。それに、あの約束覚えているかな?美奈ちゃんの結婚式は、バージンロードを歩かせてくれる、っていう。」

お父様は、優しく言ってくれる。
 
「お父さん、それは諦めてください。全く予定がないので。」と、父は笑う。

妹は、深く頭を下げて、神妙に包みを受け取る。