「俺のプレゼントは、さっきのお店なんだけど。」
私達は、時計を買ったお店に戻る。
「これ、麻有ちゃんにぴったりでしょう。指輪との相性も良いし。」
ダイヤのペンダントは、可愛い花の形。
さっきのボールペンとは一桁値段が違う。
「えー。こんな高級な物。私には、もったいないよ。」
婚約指輪といい 時計といい 私には目に余る買い物。
でも、智くんは、
「毎日、麻有ちゃんの胸元で、俺の代わりに麻有ちゃんを守ってもらうんだ。」
と、私が思っていた事と 同じことを言う。
「ありがとう。大切にするね。いつか、絵里ちゃんに譲れるように。」
智くんを甘く見上げる私に、
「さっき時計を見ている時に、目に留まって。俺が、どうしても欲しくなったんだよ。」
と優しく言ってくれた。
お利口にしていた子供達にも 数枚の洋服と絵本を何冊か買い 好きなおもちゃを一つずつ 選ばせる。
絵里加は、着せ替え人形のセット。
壮馬はラジコンカー。
会計の後、大事そうに包みを抱える子供達。
みんなの胸が、幸せに満ちていた。