「この二人には、本当に驚かされるわ。」
お母様が、ため息混じりに言う。
「すごく、きちんと生活しているのね。絵里ちゃんたちが、良い子なのも当然だわ。」
お姉様も、驚いた声で言う。
「智之って、そういう性格だった?料理したり、子供と遊んだり。こんなに家庭的な奴だと思わなかったよ。」
お兄様が言うと、お父様とお母様が頷く。
「何回も言っているでしょう。麻有ちゃんが俺を変えたって。家がこんなに楽しくて 子供がこんなに可愛いなんて、思わなかったからね。」
智くんは、照れもせずに言う。
「そうだね。智之は やらされているんじゃなくて 自分が楽しくて やっているんだね。」
お父様が、納得して言う。
「絵里加も壮馬も、可愛くてさ。やっと親の気持ちがわかったよ。俺も こんなに可愛いと思われていたんだな、って。」
智くんは、素直に言う。
「それに 麻有ちゃん、すごく楽しそうに色々してくれるでしょう。それを見ていると俺も、何かしたくなるんだよ。」
みんなは、黙って聞き入っている。感慨深気に。
「ちょっと、真剣に聞きすぎだから。ね。」
と智くんは、私を見た。
私達は、照れて見つめ合う。