その夜も、子供達が寝た後は 楽しいお茶会になる。

やっぱりシャツを買った母を笑い。

子供達の海での様子を話したり。
 

「そうそう、麻有ちゃんのがり勉の話しも聞いたのよね。」

お姉様が妹に言う。
 
「がり勉って。今時、いるの。」

お兄様も笑いながら言う。
 
「でも、本当にがり勉だったわよね。それ以外の表現が、浮かばないわ。」母も笑う。
 

「やめてよ。恥ずかしいわ。」私が言うと、
 
「本当に勉強していたんです。朝から晩まで。でも、それくらいしないと お姉ちゃんの大学には合格しないから。」

妹は、お姉様に言った事を繰り返す。
 


「地方って、教育水準が低いからね。」父の言葉に 智くんは私を見る。温かい目で。
 
「それもこれも、智之に会う為にね。会えるかどうかもわからないのに。すごく意地らしいじゃない。」

お母様は、しんみりと言う。
 

「美奈ちゃんが、努力は報われるって。」

お姉様と妹が、頷き合う。
 


「そう考えると、智之は のほほんとしていたわよ。」

お母様は、急に智くんを見る。
 
「やめてよ、俺に振るの。いいの。これから麻有ちゃんに 恩返しするから。」

智くんは照れながら、私を見て言う。
 
「そうだね。麻有ちゃん、智之が 会社をもっと大きくしてくれるからね。期待して待っていてね。」お兄様は笑う。
 
「何言っているの。兄貴が でしょう。」智くんは苦笑する。
 

「今回、智之が会社に来てくれて、俺 本当に ほっとしたんだ。よろしく頼むよ。」

お兄様は、冗談っぽく言う。