家に戻ると、子供達は すぐに眠ってしまう。
大人達は リビングでコーヒーを飲みながら おしゃべりを楽しむ。
「すごく楽しかったわ。絵里ちゃんのダンスも可愛かったし。」
ハワイに着いてから、母は何を見ても感激していた。
「絵里加には、参ったね。あんなに出たがりだとは 思わなかったよ。」
智くんも苦笑する。私も 笑いながら頷いた。
「すごく良いと思います。今の子って 自己主張ができない子 多いから。絵里ちゃんだけじゃなくタッ君達もみんな、ちゃんと自分の意見が言えるでしょう。すごい事だよ。」
妹が、真面目に言ってくれる。
「紀之達も、智之達も、ちゃんと子育てしているよね。俺よりも、子供達と関わっているし。安心するよ。」
お父様が言ってくれる。
「それだけの余裕を、与えて頂いているからよね。」
お姉様が 私の方を見て言う。
「はい。こんな風に海外に来て 世界を肌で感じるとか。余裕がないとできないですよね。」
私は、さっきの太陽の話しを思い出す。
「エリートが遺伝するって、こういう事なのよね。」
妹が、ため息交じりに言う。
「それなら、麻有ちゃんのエリートは 私の遺伝かしら。」
母が言い、みんな大爆笑で。
「やだママ。私、エリートじゃないから。」私が否定すると、
「そうだよ。麻有子は俺の遺伝子だから。」
と父の言葉も、フォローにならない。
「もう、パパもママも。」私は赤くなる。
「麻有ちゃんが可愛いのは、ご両親の遺伝子よね。すごく優秀なのに、全然高ぶらない所も。」
お姉様が言ってくれる。